破産法186条(担保権消滅の許可の申立て)借金・債務整理(自己破産編)

破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。以下この節において同じ。)が存する場合において、当該財産を任意に売却して当該担保権を消滅させることが破産債権者の一般の利益に適合するときは、破産管財人は、裁判所に対し、当該財産を任意に売却し、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める額に相当する金銭が裁判所に納付されることにより当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。ただし、当該担保権を有する者の利益を不当に害することとなると認められるときは、この限りでない。
一 破産管財人が、売却によってその相手方から取得することができる金銭(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等(当該消費税額及びこれを課税標準として課されるべき地方消費税額をいう。以下この節において同じ。)に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものに相当する金銭を除く。以下この節において「売得金」という。)の一部を破産財団に組み入れようとする場合 売得金の額から破産財団に組み入れようとする金銭(以下この節において「組入金」という。)の額を控除した額
二 前号に掲げる場合以外の場合 売得金の額
2 前項第一号に掲げる場合には、同項の申立てをしようとする破産管財人は、組入金の額について、あらかじめ、当該担保権を有する者と協議しなければならない。
3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面(以下この節において「申立書」という。)でしなければならない。
一 担保権の目的である財産の表示
二 売得金の額(前号の財産が複数あるときは、売得金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
三 第一号の財産の売却の相手方の氏名又は名称
四 消滅すべき担保権の表示
五 前号の担保権によって担保される債権の額
六 第一項第一号に掲げる場合には、組入金の額(第一号の財産が複数あるときは、組入金の額及びその各財産ごとの内訳の額)
七 前項の規定による協議の内容及びその経過
4 申立書には、前項第一号の財産の売却に係る売買契約の内容(売買契約の締結及び履行のために要する費用のうち破産財団から現に支出し又は将来支出すべき実費の額並びに当該財産の譲渡に課されるべき消費税額等に相当する額であって、当該売買契約において相手方の負担とされるものを含む。)を記載した書面を添付しなければならない。
5 第一項の申立てがあった場合には、申立書及び前項の書面を、当該申立書に記載された第三項第四号の担保権を有する者(以下この節において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

 

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