カードローンなどの借金がかさんでいるけれども、「できれば自己破産は避けたい」「払えるものなら減額して払っていきたい」と希望される方がたくさんおられます。
実は、債務整理手続きには「自己破産」以外に、「任意整理」「個人再生」などの借金を減額してもらえる手続きがあります。
これらを利用すると、借金を減らして分割払いで支払っていくことができるので、そういった方にはどちらかの方法をお勧めしています。
今回は、借金を減額して支払う債務整理の方法について、弁護士が解説いたします。
1.借金を減額して支払える債務整理の方法
債務整理の中でも、借金を減額して支払える代表的な方法は、以下の2つです。
- 任意整理
- 個人再生
以下で、それぞれについて、借金の減額率や返済方法などの必要事項をご説明します。
2.任意整理とは
任意整理とは、債権者と直接話合いをして、負債の返済額と返済方法を決め直す手続きです。裁判所を介さずに、直接債権者と話し合うので、自由度が高い解決方法です。
任意整理の借金の減額率は、低いです。
債権者との合意後に発生する将来利息をカットしてもらえる程度であり、元本は基本的に残ります。ただし、過去に利息制限法を超える利率で借金支払いをしていた方の場合には、元本部分も大きく減額されることがあります。
合意後の支払いについては、基本的に3年~5年程度の間に完済する必要があります。
ただ、話合いによっては7年やそれ以上の支払期間を設定してもらえることもあります。
支払い方法は、毎月1回、銀行振込になることが多いです。
任意整理の場合、対象とする債権者を選べるので、車のローンや保証人のいる借金などを外して、特定の負債だけを減額の対象にすることが可能です。
3.個人再生とは
個人再生は、裁判所に申し立てをして「再生計画案」の認可を受けることにより、負債を圧縮する手続きです。
個人再生の場合、減額率が非常に高いです。特に財産がない方の場合には、負債の金額に応じて5分の1~10分の1まで減額してもらうことができるので、多額の借金がある方でも、個人再生によって解決しやすいです。
再生計画認可決定後の支払いは、原則的に3年です。それがどうしても苦しい場合には5年にまで伸長することができます。
支払い方法は、3か月に1回、各債権者に対して銀行振込にすることが多いです。
個人再生では、基本的にすべての債権者を対象にしなければなりませんが、住宅ローンについては特則が認められているので、(住宅資金特別条項)、住宅ローンはそのまま支払い、他の借金のみを減額の対象として、自宅を守ることが可能です。
以上のように、任意整理でも個人再生でも、借金を減額して支払う方法で借金問題を解決することができます。状況に応じて適切な方法を選択し、効果的に借金問題を解決しましょう。