債務整理をすると、手続き後にいわゆる「ブラックリスト状態」になることが知られています。
ブラックリスト状態になると、ローンやクレジットカードの審査に通らなくなるので、こうした借金を利用することができなくなってしまうのです。
それでは、アパートなどの不動産の賃貸借契約に対しては、どういった影響が及ぶのでしょうか?
以下では、債務整理による賃貸借契約やその審査に対する影響について、解説いたします。
1.ブラックリスト状態になる理由
債務整理をすると、いわゆるブラックリスト状態になりますが、そのことで、賃貸借契約にも影響が及ぶのでしょうか?
この問題を理解するためには、まずはブラックリスト状態になる理由を知っておくと、わかりやすいです。
債務整理をすると、「個人信用情報」に「事故情報」が登録されます。
そして、ローンやクレジットカードの審査を受けるとき、銀行や貸金業者は申込者の「個人信用情報」を参照して、信用に足る人物かどうか判定しています。
このとき、債務整理によって事故情報が登録されていたら、信用できないものとして、審査に落とされてしまうのです。
これが、債務整理によってブラックリスト状態になる仕組みです。
2.賃貸借契約・審査に影響はない
それでは、個人信用情報に事故情報が登録されると、賃貸借契約締結や審査にも影響が及ぶのでしょうか?
不動産業者や大家は、貸金業者でも金融機関でもありません。
「個人信用情報」を閲覧する権限はありませんし、そのような審査方法もとっていません。
そこで、債務整理によって個人信用情報に事故情報が登録されていても、賃貸借契約やその審査には、何の影響もありません。
たとえ自己破産した後でも、不動産屋に行って申込みをすれば、年収などの簡単な審査を経て、物件を借りることができます。
3.信販会社を通じて家賃を支払うケース
ただし、不動産の賃貸借契約をするとき、注意が必要なケースがあります。
それは、家賃の支払いにクレジットカードを使ったり、指定の信販会社を介したりするケースです。
これらの場合、そもそも自分名義のクレジットカードがないと契約ができなかったり、信販会社の審査に通らなかったりするので、結果的に不動産の契約が難しくなってしまう可能性があります。
そこで、債務整理後に賃貸借契約を締結するときには、家賃を振り込み送金などの方法で直接支払うタイプの物件を選ぶと良いでしょう。
債務整理をしても、世間で思われているほどの不利益は小さいものです。疑問がある場合、弁護士がご案内いたしますので、お気軽に無料相談をご利用下さい。